西近江路から

 奥琵琶湖の国道161から離れて、県道533を使い在原の里に行きました。この道は雪の頃には閉鎖になる道です。このまま進むと、同じ北側の161号線に再びつながり敦賀市に行けます。

 マキノ峠、道の駅の観光案内の看板には、在原の藁葺きの家の画像が載っていたので、気になって温泉に浸かった後に、この道を使うことにしました。

谷間の林道を5〜6km進むと在原の里に着きました。
在原の里、茅葺き

この里には十数件の茅葺き屋根の民家が在ります。多少観光化はあるでしょうけれど、とは言っても白川郷、五箇山、美山のような観光地では無いです。普通の山里の暮らしが生き着いています。

在原の里、茅葺きN2

注意書きの看板が在り、写真を撮るために個人の敷地に入り込まないように。とお願いの看板も在りました。イノシシ、鹿など動物の遭遇にも注意がいる里ですね。

在原の茅葺きの家 着いたのは昼頃で小腹が空いたな〜と思ったら、手打ち蕎麦やさんが在りました。コンビニに戻るにしても離れすぎ・・・丁度良いくらいの昼時でしたので、営業を確かめて入ることにしました。

素朴な手作りの店です。 大きな一枚岩をテーブルにしていました。先客があり蕎麦を食していました。蕎麦定食を頼むと「おと〜さん!!」と女将さんが、ご主人を呼んで蕎麦作り始めました。

自分の畑の蕎麦を粉にして手打ち100セントの蕎麦です。蕎麦の香りは豊かな自然なまま!!蕎麦は長くなくて蕎麦切りですね。 長い蕎麦や出汁がきいた町場の蕎麦とは違いました。難を言えばボソボソな感じが紛れもなく、つなぎ無しの蕎麦ですね。突き合わせの漬け物が美味しい。お土産に持って帰れます。 何年も受け継いできた漬け物の種が生きていますね。業平蕎麦




時々訪ねてくる、観光客が食べるところが無い村に来るので、趣味ともてなしを兼ねた食事処ですね。プロ志向では無い田舎のもてなし感覚です。


業平蕎麦N2

この里はいつ頃から合ったのでしょうか? 歴史的には古くて平安時代には在ったようです。琵琶湖と敦賀を結ぶ道ですから・・、また、そば屋の名前のように、平安時代の歌人 在原業平 伊勢物語の主人公とも言われる人がこの地に住んで晩年を過ごした記録があるようです。集落のはずれの林の中に業平の墓といわれる石塔があります。彼が詠んだ歌にも、この土地のことが出ています。

 「ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%A8%E5%8E%9F%E6%A5%AD%E5%B9%B3


 冬は大雪になる地域ですね。でも平安時代からシクシクと受け継いできた土地と山、田畑の在る山村です。
日本人の気質の一つを感じました。


 在原の里 画像集  http://www.facebook.com/media/set/?set=a.213988162004444.50444.100001797844630&type=1&l=5d3c5299a9